
こんにちは、Chari(ちゃり)です!ここではビジネスで成功するための知識や考え方をアウトプットしています。
私は「経済的・時間的に自由な人生を送る」ことを目標に、現在会社員をしながら、ビジネススキルやWEBマーケティングについて勉強しています。
今回は「価格競争に巻き込まれないための”ブランディング戦略“」というテーマで、「ブランディング戦略の3つの手法」ついて説明していきます。
ちなみに「そもそもブランディングとは?」を知りたい方は、以前にブランディングとマーケティングの違いについて解説した記事があるので、まずはこちらの記事をご覧ください。
この記事はこのような方にオススメです。
・これから自分の事業を始めようと思っている方
・自社や自社商品/サービスのブランディングに苦戦している方
・競合との差別化に悩んでいる方
この記事を読むことで以下の内容を知ることができます。
・自社や自社商品/サービスのブランド価値の高め方
・ブランディング戦略の手法(フレームワーク)
・具体的なブランディングの成功事例
それでは早速本題に入りましょう!
目次
ブランディング戦略とは

前回の記事では、個人店が長期的な経営をする上で「ダイナミックプライシング戦略」を取ることが重要だとお伝えしました。
ダイナミックプライシングとは、要するに「商品やサービスの販売数の増加に合わせて、値段(プライス)を上げていく」という価格戦略です。
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しかしながら、値段を上げたとしても、その後販売数が増えなければ意味がありません。では、どうしたら値段を上げても販売数を増やす続けられるのでしょうか?
今回の記事では、その具体的な手法について説明します。
ブランディング戦略:3つの手法

ここで一つ例を挙げます。
あなたが一眼レフを買いたいと考えているとします。
購入を考えている一眼レフが、Amazonでは「92,000円」で、楽天では「90,000円」で売っているとしたら、どちらで購入しようと思いますか?
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実はこの質問に対して、「Amazonで購入する」と回答する人の方が多いのです。
なぜでしょうか?
この”2,000円の差”こそが「Amazon」というブランド価値なのです。そしてブランド価値が高いほど、価格を上げ続けられるのです。
もっと身近な例でも、コーヒー一杯100円〜300円で飲める場所があるのにも関わらず、コーヒー一杯400円〜500円のスターバックスを選ぶ人も多いですよね。
この場合、スターバックスを選ぶ理由は「コーヒーの味」でしょうか?
違いますよね。
この一杯200円〜300円の差が、コーヒーの味や品質ではなく、”スターバックス”というブランドそのものの価値なのです。
そしてブランド価値が高い企業ほど、多くのファンに支持されているのです。

では、自社や自社商品・サービスのブランド価値を高めるためには何をすべきなのでしょうか?
FES戦略:3つのブランディング戦略

結論として、ブランディング戦略とは「顧客に対して、自社の強みに対する共通認識を与えること」です。
自社の強みについて、ほとんどの顧客が認知していないからこそ、ファンが増えないのです。
自社の強みを顧客に認知させることで、価格競争に巻き込まれず、長期的な集客が可能となり、価格を上げられるため高利益率を達成することができるのです。
では、顧客に自社の強みに対する共通認識を与えるために、どのような戦略を取ればよいのでしょうか?
その手法のことを、ここでは「FES戦略」と呼びます。
FES戦略とは3種類の戦略の頭文字を取った総称で、①Functional(機能的なブランド戦略)、②Emotional(感情的なブランド戦略)、③Self-expressional(自己表現的なブランド戦略)のことです。
①Functional:機能的なブランド戦略
②Emotional:感情的なブランド戦略
③Self-expressional:自己表現的なブランド戦略
これだけではイメージしづらいですね。これら3つのブランド戦略について、一つ一つを噛み砕いて説明していきます。
①Functional:機能的ブランド戦略
USP(Unique Selling Proposition)
まずは自社の打ち出す方向性を決めるために、「USP(Unique Selling Proposition):自社が持つ独自の強み」を決定します。
「USP」とは、自社の打ち出す方向性を決めるためのフレームワークです。
自社の打ち出す方向性(独自の強み)は、「顧客ニーズ」「競合の強み」「自社の強み」の3つを把握することで、決定することができます。
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そして、上の図のように、「顧客ニーズ」と「自社の強み」が重なっているポイントから、「競合の強み」と重なるポイントを除いた部分が、「USP=自社の打ち出す方向性」となります。
例えば、ドミノ・ピザのエピソードを挙げます。
ドミノ・ピザの創業者は、昔ピザ屋さんの従業員でした。
その店では、美味しいピザを作るのに注文から1時間程かかっており、待ち時間が長いためクレームをもらうことがあったです。
その時に、「顧客の中には味を求めている人もいれば、提供するスピードを求める人もいる」と考えました。
その後自ら、味ではなく「スピード」を強みとしたピザ屋を創業し、それが今の「ドミノ・ピザ」として圧倒的な成長を遂げています。
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これが機能的なブランディングの成功例です。
8:2の法則(パレートの法則)

もう一つ、強みを持つ上で重要なのが「8:2の法則(パレートの法則)」です。
パレートの法則については、以前こちらの記事でも触れましたが、要するに「2割の顧客が、全体の8割のお金を生み出す」ということです。
ここではカフェの例を出します。
例えばあるカフェでは、2割のお客様は近隣に住むマダムで、ドリンクだけでなくスイーツを一緒に頼んだりと、お金を落としてくれます。一方で8割のお客様はビジネスマンで、PC作業など長居しますが、ほとんどの場合注文はコーヒー一杯だけで帰られます。
ほとんどの会社や事業は、このように2割の顧客によって支えられているといっても過言ではありません。
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ここで伝えたいのは、この2割の人に特化するということです。つまり、近隣に住むマダム達が必要としている商品やサービスを考えた戦略を立てる、ということです。
この章をまとめると、「USPのフレームワークを用いて自社の強みを特定」し、「8:2の法則に基づき、2割の顧客ニーズに特化する」ことの2点が、機能的ブランド戦略において重要となります。
②Emotional:感情的ブランド戦略
ここでは、ブランディング戦略の2つ目として、“顧客の感情に訴えるため”のブランディング戦略をお伝えします。
Emotional:感情的ブランド戦略
①ストーリーテリング
②ブランドハイディング
③ブランドステートメント
それでは一つ一つ解説していきます。
ストーリーテリング
商品やサービスなど全てのコンテンツは、顧客の感情に刺さるものでなければなりません。
つまり、なぜあなたはこの商品/サービスを提供したいと思っているのか、というビジョンがブランディングには必要不可欠なのです。
このストーリーテリングについては、以前のこちらの記事で書いております。
ブランドハイディング
ブランドハイディングを一言で言うと、「ブランドを伝えたいけど、あえて伝えない」ということです。少し分かりづらいので、一つ例を挙げます。
みなさんは、アメリカのスーツケースブランド「Away」という会社をご存知ですか?
Awayはスーツケースを販売するブランドですが、ブランドのインスタグラムでは、自社の商品(スーツケース)を押し出している投稿はほとんどありません。商品よりもむしろ、旅先の風景写真や旅行を楽しんでいる写真をメインで載せています。
つまり、商品ではなく、「体験」や「ストーリー」を売っているのです。
商品をあえてプッシュするのではなく、体験やストーリーを押し出すことで、それが商品認知に繋がり、購買に至るのです。
ブランドステートメント
ブランドステートメントとは
企業のブランドが掲げる理念や使命を簡潔な文として表したものである。
出典:Weblio辞書
まずは例を見てみましょう。
- Just Do It
- I’m lovin’ it
- お値段以上
- NO MUSIC, NO LIFE.
これらはある企業のブランドステートメントです。これらがどこの企業のブランドステートメントかわかりますか?

答えはこちらです。
- Just Do It:ナイキ
- I’m lovin’ it:マクドナルド
- お値段以上:ニトリ
- NO MUSIC, NO LIFE.:タワーレコード
おそらくほとんどの方が正解されたのかと思います。
ブランドステートメントは、ある種の企業のキャッチコピーです。
そしてこのブランドステートメントは、商品やサービスだけでなく、ロゴやパッケージ、広告、接客に至るまで、あらゆる活動に結びついています。
そのため、ブランドの認知を広げ、ブランド価値を高めて行くためには、ブランドステートメントが必要不可欠なのです。
③Self-Expressional:自己表現的ブランド戦略
ブランディングは大きく2種類に分けられます。これを「インナーブランディング」「アウターブランディング」と呼びます。
これらの違いを一言で言うと、「インナー=社内向け」か「アウター=社外向け」かの違いとなります。
具体的にどういうことでしょうか?それぞれ見ていきましょう。
インナーブランディング

インナーブランディングとは、社内=社員に向けたブランディングという意味です。
つまり社員に向けて、企業や事業、サービスなどの目指すべき姿を理解浸透させるための啓蒙活動ということです。
そしてインナーブランディングで重要なことが、「ガイドラインの設定」です。
インナーブランディング=ガイドラインの設定
①5感を刺激する要素の決定
→匂い、カラー、音、感触など
②コミュニケーション方法
→禁止語、接客方法、販売方法など
③コンセプト
→価格、ボリューム、品質など
これら3点について、社内で統一することが重要となります。
例えば先ほどのブランドステートメントで挙げた例だと、家具販売のニトリの場合、ブランドカラーは緑と白、音は「お値段以上、ニトリ」のリズムが印象的ですね。
インナーブランディングの手法として、これら3点のガイドラインを設定することが重要となります。
アウターブランディング

アウターブランディングとは、インナーブランディングと対照的で、社外=消費者に向けたブランディング手法のことです。
つまり、消費者に対して、自社ブランドの認知拡大を目的としたコミュニケーション活動を指します。
アウターブランディングのポイントは「5A」です。
これまでは消費者の行動プロセスとして「アイドマの法則」が使われていましたが、インターネットやSNSが主流の今の時代は、行動プロセスに変化が起きているのです。
そこで、従来のアイドマに代わる新たな行動プロセスとして、「5A」が提唱されています。
「5A」
①Aware:認知(知っている)
②Appeal:訴求(好きかも)
③Ask:調査(調べよう)
④Act:購入(よし買おう)
⑤Advocate:推奨(オススメしよう)
5Aの特徴としては、最後に「Advocate:推奨」が差し込まれている点です。
商品を購入、サービスを体験した人が他の誰かに「推奨」することで、他の誰かの「認知」に繋がり、どんどん商品やサービスが購入されていく時代に突入しているのです。
逆に言うと、推奨されないと商品やサービスは購入されにくい時代ということです。
つまり、ブランド価値を高めるためには、この「推奨」までを考えて行動プロセスを設計することが重要となります。
例えばTシャツ一つとっても、無地のTシャツよりは、胸元にクールなロゴが入っている方が、写真を撮ってインスタなどに投稿(他の人に推奨)したくなりますよね。
そして人は、自分が参考にしている人を真似したり憧れたりする性質があります。
このように、つい写真を撮ったり誰かに教えたくなるようなブランド設計をすることで、自社のブランド価値を高めることができるのです。
インナーブランディング × アウターブランディング
①インナーブランディング:ガイドラインの設定・統一
②アウターブランディング:”推奨“まで考えたプロセス設計
さいごに

今回は、自社や自社商品・サービスのブランド価値を高めるための戦略として、3つ紹介しました。
FES戦略
①Functional:機能的なブランド戦略
→USP、8:2の法則
②Emotional:感情的なブランド戦略
→ストーリーテリング、ブランディハイディング、ブランドステートメント
③Self-expressional:自己表現的なブランド戦略
→インナーブランディング&アウターブランディング、5A
ブランド価値を高められると、価格競争に巻き込まれず、販売数の増加に合わせて価格(PRICE)も上げていくことができます。
そしてブランド価値が高まることで、価格(PRICE)を上げても顧客が増え続けるような、強固なファンを作ることができます。
その結果、さらに販売数が増え、利益率も上がれば、幸せな経営が続けられますよね。
これから事業を始めようと思っている方、ブランド価値を高めて強固なファン作りを目指したい方など、この記事が少しでも参考になればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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Chari(ちゃり)